Q.年次有給休暇の賃金について、日によって所定労働時間が違うパートタイマーに対しては、どのような計算をしたらよいでしょうか。
まず、年次有給休暇の賃金は、以下のいずれかによって支払わなければならないものとされています。
① 平均賃金(過去3ヶ月の賃金総額÷その期間の総歴日数)
② 所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金
③ 健康保険法の標準報酬日額に相当する額(標準報酬月額÷30日)
それぞれの特徴を書き出してみますと、
①の場合
・日によって賃金の差がなく一定である
・賃金の締切日の都度、平均賃金額の算定が必要
・所定労働時間の短い日に有給を取得する傾向が出てくる可能性がある
②の場合
・日によって賃金に差がある
・所定労働時間の長い日に有給を取得する傾向が出てくる可能性がある
③の場合
・日によって賃金の差がなく一定である
・健康保険の被保険者であることが条件としてあるので、労働時間や労働日数の少ないパートタイマーには適用できない。
・労使協定の締結が必要
・所定労働時間の短い日に有給を取得する傾向が出てくる可能性がある
以上を踏まえると、日々の所定労働時間に差のあるパートタイマーの有給賃金の算定方法は、①の平均賃金によるものが良いかと思われます。
いずれにせよ、どれを選択した場合でもあらかじめ就業規則で定めておく必要があります。
その都度、雇用者側が有利になるように方法を変えることは認められていませんので注意が必要です。