健康診断

Q.先日、健康診断の結果が出た従業員から、ある項目について要精密検査という結果がでたとの報告がありました。会社としては、今後どのような対応をとるべきでしょうか。また、再検査代等の費用は会社が負担するべきなのでしょうか。

A.
事業者は、常時使用する労働者に対し、1年以内ごとに1回、定期に、定められた項目について医師による健康診断を実施することが義務付けられています。
健康診断で異常所見があると診断された場合には、事業者は医師等の意見聴取した上で、必要があると認めるときは、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮等適切な措置を講じなければならないとされています。

医師等からの意見聴取は、産業医に対して行うのが適当かと思いますが、産業医の選任義務のない規模(従業員数50人未満)の事業場では、地域産業保健センターの相談窓口等を活用するのが良いかと思います。
→札幌地域産業保健センターHPはコチラ

次に、費用負担についてですが、定期健康診断は事業者に実施が義務付けられているものですので、当然に事業者が費用を負担すべきものと考えられます。
しかし、再検査や精密検査については「受診を勧奨するとともに、意見を聴く医師等に当該検査の結果を提出するよう働きかけることが適当である。」とされ、事業者に実施が義務付けられているわけではありません。よって、法律の観点から見れば、事業主が費用の負担をしなくても問題ではありません。
しかし、安全配慮義務の観点からみれば、確実に再検査等を行える環境を作ることが大事かと思いますので、事業者が費用を負担すべきかと思います。

また、次の4つ全ての検査項目について異常があると診断された場合には、二次健康診断を受けることが可能です。
・血圧の測定
・血中脂質検査
・血糖検査
・BMI(肥満度)の測定
二次健康診断は、労災請求ができますので本人の費用負担はありません。
詳しくは以下のサイトをご参照ください。
二次健康診断等給付の請求手続(厚生労働省)

2019年07月29日