厚生年金保険・健康保険の保険料額は、通常以下の3つのタイミングで決定・改定されます。
⑴ 資格取得時:入社時の給与や所定労働時間が週30時間以上に増えた場合の給与等により決定
⑵ 定時決定:毎年、4月・5月・6月に支払われる給与により決定
⑶ 随時改定:固定的賃金に大幅な増減があった場合に改定
上記⑶の随時改定については、原則として以下の要件を満たす場合に保険料額の改定が行われます。
① 固定的賃金に変動がある(昇給・降給や、新しい手当の追加・増額等)
② 従前の標準報酬月額と改定後の標準報酬月額に2等級以上の差がある
③ 固定的賃金が変動した日以後、引き続いた3ヶ月における報酬の支払われたすべての月の「報酬の支払の基礎となる日数」がそれぞれ17日以上である
平成30年10月から、以下の条件を満たす場合に、申立てを行うことにより、「年間平均による随時改定」が可能となっています。
① 現在の標準報酬月額と通常の随時改定による標準報酬月額との間に2等級以上の差がある
② 通常の随時改定による標準報酬月額と年間平均額から算出した標準報酬月額との間に2等級以上の差がある
③ 上記①、②の差が業務の性質上例年発生することが見込まれ、かつ、報酬月額の変動が例年発生することが見込まれる
④ 現在の標準報酬月額と年間平均額から算出した標準報酬月額との間に1等級以上の差がある
新たな「年間平均による随時改定」を行うことにより、例えば、定期昇給月と繁忙期が重なっているために保険料が割高になっていた会社等では、繁忙期の残業代分を年間で均等化することが可能となり、保険料負担の軽減が見込まれます。
実際の手続きでは、通常の随時改定時に提出する「報酬月額変更届」の他に以下の書類の添付が必要となりますのでご確認ください。
① 年間報酬の平均で算定することの申立書(随時改定用)
② 健康保険 厚生年金保険 被保険者報酬月額変更届・保険者算定申立に係る例年の状況、標準報酬月額の比較及び被保険者の同意等(随時改定用)
③ 必要に応じて、賃金台帳等の資料
(例年発生することが見込まれることを確認する必要がある場合等)