Q.今回、働き方改革の一環として業務の生産性向上の為、在宅勤務を取り入れようと考えております。在宅勤務を行う場合に労働時間の把握はどのようにしたらよいでしょうか。
A.在宅でのパソコンの使用時間の記録等客観的な記録によることが望ましいとされています。自己申告の場合は、十分な説明等が必要となります。
使用者は原則として、社員の労働時間を適正に把握する責務を有しています。これは在宅勤務者に対しても例外ではありません。
厚生労働省の労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドラインでは、以下のように定められています。
使用者が始業・終業時刻を確認し、記録する方法としては、原則として次のいずれかの方法によること。
(ア)使用者が、自ら現認することにより確認し、適正に記録すること。
(イ)タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録等の客観的な記録を基礎として確認し、適正に記録すること。
ですが、在宅勤務の場合、上記方法はいずれも難しく、メールや電話等での自己申告となることがほとんどかと思います。
厚生労働省のテレワーク導入ための労務管理等Q&A集では、テレワーク実施企業において、始業・終業時刻の報告方法としてEメールでの報告が最も多く利用されていると書かれています。
自己申告で労働時間を把握する場合には、以下の措置等を講じる必要があります。(労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン抜粋)
(ア)自己申告制の対象となる労働者に対して、本ガイドラインを踏まえ、労働時間の実態を正しく記録し、適正に自己申告を行うことなどについて十分な説明を行うこと。
(イ)実際に労働時間を管理する者に対して、自己申告制の適正な運用を含め、本ガイドラインに従い講ずべき措置について十分な説明を行うこと。
(ウ)自己申告により把握した労働時間が実際の労働時間と合致しているか否かについて、必要に応じて実態調査を実施し、所要の労働時間の補正をすること。
また、上記始業・終業時刻の申告とは別に、在籍・離籍状況の確認も必要になるかと思います。就業時間中は電話やグループチャットツール等で常に連絡が取れる状態にしておくことや、労務管理ツールを導入する等、在籍・離籍状況の確認ができる仕組みづくりも大切となります。