算定基礎届と燃料手当

Q.当社では、冬季の10月~3月に燃料手当を支給しております。算定基礎届にあたり、この燃料手当はどのように考えたらよいでしょうか。

A.
まず、健康保険・厚生年金保険料は、毎月の給料を区切りの良い幅で区分した標準報酬月額に保険料率をかけることによって決定されます。
この標準報酬月額は、健康保険ですと、第1級の5万8千円から第50級の139万円までの全50等級に区分されています。

標準報酬月額は、新しく採用されたとき(資格取得時)などに決定されますが、従業員が受ける給料は、昇給などによって変動します。
そこで、年に一度、標準報酬月額と実際の給料がかけ離れないように、標準報酬月額の見直しを行います。
これを定時決定といい、実際の手続きとしては、算定基礎届を提出することになります。

標準報酬月額は、4,5,6月(支払基礎日数が17日以上)に支払われた給料を、その総月数で割った平均額により決定されます。
例えば、末日〆翌月10日払の会社では、3月(3/1~3/31・4/10払)・4月(4/1~4/30・5/10払)・5月(5/1~5/31・6/10払)分の給与によって判断します。

算定基礎届の詳細についてはこちらを参照ください。

算定基礎届の記入・提出ガイドブック(日本年金機構)


燃料手当とは、北海道のような寒冷地において、冬の暖房燃料費の補助として支給される手当で、寒冷地手当・暖房手当とも呼ばれます。会社によって差はありますが、一般的には、冬季の10月~3月の約6カ月間に支給される手当です。冬季の支給ですので、算定基礎届には関係ないと思うかもしれませんが、支給方法によっては算定基礎届に含めなければいけません。

①燃料手当を一括(もしくは3回以内)で支払う場合
この場合の燃料手当は賞与に当たりますので、報酬月額には含めません。ですので、算定基礎届で燃料手当を考える必要はありません。

②燃料手当を毎月支払う場合
毎月の支払ですと、年6回の支給になる為(10月~3月支給の場合)、賞与には当てはまりません。この場合の燃料手当は報酬と考えられますので、前年度に支払った燃料手当の総額を12月で割った金額を、4,5,6月の各月に加算して報酬月額を算出します。

上記のように支払方法(回数)によって、算定基礎届での報酬に含むか含まないかが異なりますので、注意が必要となります。

2018年06月27日